父。

昨日も婆さまは色々やって下さったが 省略。
アタシは口の悪い鬼嫁に間違いないが、あんな鬼ババァには絶対なるまいッ

余命は短くて半年だと告げられていたが
恋する女房に早く逢いたいのか その半分の入院生活であの世に旅立っちまった父。
亡くなる前の数日間は モルヒネを打ち続けて痛みをコントロールしていたのだが
同時に頭もおかしくなっちまい、酸素を送るチューブを喰いちぎったり
かいがいしく世話をする義妹の手に噛み付いたりと 兎に角熾烈だった。
たまに正気に戻れば、出てくる言葉は「感謝」以外に無く
掛け付けた父の姉弟の涙を大いに誘う。

しかし

父は、自分を一番に慕う次男をにらみながら、
「お前に殺されるッ」 とぶっ放した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・当然弟は、すっかりしょげこむ。



受付はアタシのうん十年来の友が引き受けてくれた。
その中の一人に「見えないお人と会話が出来る」のが居て、父が会場に居るとアタシに告げる。
大急ぎで弟に声を掛け 父の様子を彼女に聞くと


「お父さん 好きなお酒を飲んでべろんべろんだよ。ほっぺを赤く染めてすっかりご機嫌みたい♪」
「この二日間はとことん飲むって言ってるから、日本酒をお供えしてあげて」

へぇ。


そして弟がおもむろに 父の「パチンコカード」を彼女に見せ
「これを棺に入れようと思ってるんだけど・・・」 と言えば

「ねぇ 海って何? 魚群がなかなか来ないって言ってるけど 魚群って?」











間違いなく そこに父が居た。
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by nikuya129 | 2014-10-13 06:50